レッドウィングって、どんなブランド?RedWing【レッドウィングブーツ】の軌跡
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RedWing【レッドウィング】とは、どんなブランド?

アメリカ中西部の小さな街の町工場からはじまった『レッドウィング』
昔ながらの職人気質で頑なに作られたブーツは、百年近くにわたる歴史を超えて、今もなお変わらず多くの人を魅了する
14人からはじまった小さな靴工場が『キング・オブ・ブーツ』とまで賞賛されるブランドになるまでの軌跡をご覧ください

大自然の中で生まれたレッドウィング

ミネソタ州画像アメリカ中西部中心に位置し、カナダと国境を接するミネソタ州にある、その名も“レッドウィング”という街でレッドウィングは誕生しました。レッドウィングシティーのあるミネソタ州の名は、ネイティブアメリカンの言葉で『空色の水』を意味する「ミニソタ」から由来することからもわかる通り、州内には約1万5000の湖や数多くの川があり、ミシシッピ川が大きく州内を縦断しています。レッドウィングの街の名は、開拓当時この地域を治めていたネイティブアメリカン、スー族の酋長、『ワクタ・レッドウィング』にちなんでつけられたもの。
古き良き時代のたたずまいを残す街、レッドウィングシティレッドウィングシティは人口三万人ほどの小さな街ですが、レンガ造りのビルや、アーリー・アメリカン調の家などが多数あり、今もなおアメリカの開拓時代のたたずまいを残した、『古き良き時代のアメリカ』を感じさせる美しい街なのです。 古くから皮革産業が盛んで、ミシシッピ川を利用して大量の皮が集まってくる地でした。この土地の豊富な大自然ときれいな水がいい革をつくるのに適していたからです。そして、いい革が手に入るところに、いい靴屋“レッドウィング”ができるのも自然の道理というものです。

わずか14人から始まった町工場“レッドウィング”

1883年、レッドウィングシティーの革工場で皮革の仕事を卒業した、チャールズ・H・ベックマンは皮革商人S・B・フットが援助し靴販売のビジネスをはじめ、『よりよい靴をつくりたい』という彼の強い願いにより、1905年レッドウィングシューカンパニーは設立されました。

いい革で、いい靴がつくれないわけがない

フレッシュハイド製法で加工されたレザーレッドウィングの設立者、ベックマンの情熱を、ブーツ作りに一番大切な『革』にまつわるエピソードで紹介すると、
動物の皮をそのまま使用するとすぐに腐敗したり、乾燥すると板のように硬くなり柔軟性がなくなるため、それを防ぐためになめし加工するのだが、いったんその前に塩漬けにして運び、塩抜きをしてから加工する、というやり方が一般的。いまでも、日本に輸送されるなめし革は、普通塩漬けにされて送られてくる。しかしそうして送られてきた革は最初に塩抜きする必要があり、これは革にとって決していいことではありません。19世紀後半のアメリカでも事情こそ違え、輸送の問題から、使う革の多くはこの塩漬けにされたものを使わざるおえなかったし、それを疑う者などおりませんでした。レッドウィング社はあくまでも素材にこだわり、それを新鮮なまま使用するため、死後2〜5時間の間に処理する、いわゆるフレッシュハイド製法を、創業当時から採用しました。
よくない革で、いい靴がつくれるはずがなく、いい革を使ってこそ、いい靴がつくれるのだという強い信念が伝わってきます。

『作る』だけでは終わらない永く愛用されるモノ作り

創業当時は日産でわずか150足しか作れなかったレッドウィングシューズは、こだわり抜いた革と徹底された革の製法による品質の高さに加え、機能的かつスタイリッシュなデザインで瞬く間にレッドウィングの名はアメリカ中に広まり、注文も殺到するようになった。レッドウィングは順調に規模を拡大させていったものの、作ったものを売るだけで終わらさず、取引先や小売店へフィッティングや接客方法のアドバイス、手入れ方法やリペア方法なども詳しく提案し、永く愛用されるモノ作りを徹底させていった。こうしてレッドウィングの確かなブーツ作りによる、クオリティの高さは顧客に浸透されることとなったのである。
ソールを張り替え、何年にもわたって愛用してほしい、というレッドウィングの姿勢は、すでにこの頃から根付いたものであった。

スポーツマンが作り上げた名作『アイリッシュセッター』

ハンティング向けのスポーツブーツ“アイリッシュセッター”名品・アイリッシュセッターが産声を上げたのは1950年。スポーツ好きだった三代目社長のJ・R・スウィージーよりハンティング向けのスポーツブーツの開発を命じられたのが始まりだった。完成される前段階で、「インディアンモカシンのように静かに、快適に歩ける」と言われたクレープソールを初めて採用。獲物に気づかれることなく、雑木林の中を歩き回るためには、静かでクッションのいいクレープソールが必然の選択だったのである。
1936年、レッドウィング社とかねてから取引のあったレオ・メテンという皮革業者が、レッドウッドツリーを使ってなめしたオレンジの革を開発。この革はかつてないほどしなやかで、弾力性に富み、硬くなりにくいという特徴を備えていた。さらにオイルタンを施してあるため、防水性も持つという優れたもので、レッドウィングはこのレザーの権利を取得し、オロ・ラセットと命名。アイリッシュセッターのマークその独特の革の色がアイリッシュセッターの毛の色に似ていることから、このブーツを『アイリッシュセッター』と名付けられた。ここに、現在まで続くレッドウィングのアイリッシュセッターが誕生したのである。

もうすぐ創業100周年

1905年にたった、14人からはじまった“レッドウィング”の歴史も2005年で記念すべき100周年を迎える。
創業当時日産150足にも満たなかったのが、現在では工場も増え、比較にならないほどのブーツを生産し続けている。しかしいくら規模が大きくなっても、創業当時からあった、素材・製法のこだわりとつくる人のあたたかみが今もなお続いているからこそ、100年もの長い間 、全世界で支持され続けているに違いない。まさに『キング・オブ・ブーツ』の名にふさわしいブランド。小さな町工場から始まったレッドウィングシューズは、世界のトップシューズブランドとして大きく成長した現在も、その歴史を未来へ向かって刻み続けています。